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乾燥肌は保湿より先に原因を考える!!

雪国

半世紀前に乾燥肌はなかった!

 
いまから半世紀ほど前まで、乾燥肌などほとんどありませんでした。ところが現在は大多数の女性が、自分は乾燥肌だと訴えています。そして保湿性が高い化粧品が飛ぶように売れています。では保湿化粧品で問題は解決したのでしょうか。一時的にうるおっても、乾燥肌は完治せず、さらに進んでしまっていないでしょうか。なぜなのでしょうか?
 

乾燥肌には原因がある

それは乾燥肌になった原因に目を向ることなく、乾燥を助長する同じプロセスを繰り返しているからです。あわてて目先の保湿にはしるのでなく、乾燥肌になった原因を知ることができれば、同じ過ちを繰り返さずにすみます。克服するための、正しい対策がみえてくるからです。
 

乾燥肌は生まれもった自分の肌質だと思いこんでいないでしょうか。じつはそうではありません。そもそも乾燥肌などの肌トラブルは、現代という時代のなかで発生しています。そこには社会的な背景があります。もともと自分の肌が弱かったわけではないのです。信じがたいかもしれませんが、それはずっと使いつづけてきた化粧品に原因があります。石油からつくられる化学成分に原因があるのです。化学成分にはつよい毒性があるため、厚生労働省が使用限度量などの規制を設けていることでもわかります。
 
 

薬用化粧品

 
 

原因を知って対策する

乾燥肌は長い年月をかけてなるので、まさかそれが化粧品のせいだとはだれも気づきません。乾燥という現象だけに気をとられて、原因を知ろうとしないのです。気づかないといった方が正しいかもしれません。大雨で川が氾濫すると、川下では水害をくい止めるために土嚢をつみますが、上流のダムや森林伐採に目を向けようとしないのに同じことです。原因にさかのぼって対策しなければ、大雨のたびに水害は繰り返されるでしょう。
 

化学成分がバリア機能を破壊する

よく知られるように、肌には丈夫なバリア機能が備わっています。外から有害なものが肌の中に入らないように、二重、三重のガードがかかっています。表皮のいちばん外側に、皮脂膜と表皮常在菌がいてアレルギー物質の侵入を防いでいます。その下に水と油が幾重にも重なった角質細胞間脂質があり、水も油も通さない構造になっています。一方で皮ふの細胞は、基底層で誕生したあと30日から5、60日ほどかけて角質層に向かって成長していき、最後は垢になってはがれ落ちます。これをターンオーバーと呼んでいます。つまり新陳代謝は内部から外に向かって排出されているわけです。肌に必要な成分だからといって、さまざまな美容成分を肌の中に送り込もうとすれば、この丈夫な肌バリアを壊さなくてはなりません。
 

合成界面活性剤が肌をうすくする

そのために使われるのが合成界面活性剤です。合成界面活性剤は強力で、水に油をとかしてじわじわと肌の仕組みを壊しながら浸透していきます。バリアがこわれた肌は無防備になり、内部の水分は蒸発しやすく、アレルギー物質は自由に侵入していきます。しかも合成界面活性剤は肌のタンパク質を溶かすため、肌そのものがだんだん薄くなり、水分を溜める能力が落ちていきます。これが乾燥肌をつくりだしている仕組みです。乾燥はすべての肌トラブルの入り口になっています。
 

乾燥を助長する保湿化粧品

かつて九州の水俣病や富山でイタイイタイ病が現れたとき、医師団は同じ病気が特定の地域で急増していることに疑問を抱き、原因について問題提起をしました。調査の結果、化学工場でたれ流しされていた廃水が原因であることがつきとめられ、歯止めがかけられたのです。
乾燥肌についてもほぼ同じことがいえます。むかしは存在しなかったのに、現代になって急増したのは、社会的な背景があるのです。時間軸が長くて現れ方が緩慢なため、因果関係に気づきにくいのが化粧品の特徴です。しかし安全性が認められた範囲であるとして、乾燥ニーズに向けた保湿化粧品がどんどんつくられ、売れつづけて化粧品メーカーは大繁盛です。ところがその保湿化粧品にも合成界面活性剤が含まれているため、さらに乾燥肌を増やす原因になっています。
 
 

クリーム

 
 

まず悪化にストップをかける

消費者はこうした現実を知ったうえ、肌バリアを壊されないように、守るように自衛するしかありません。まずはじめに、乾燥肌をこれ以上悪化させないようストップをかけることです。そして少しでも肌を正常化するような手だてを講ずることです。それには合成界面活性剤や合成ポリマーなどの化学成分が含まれている化粧品をすぐにやめることです。

それに代えて、植物を主成分とするオーガニック化粧品にするのですが、オーガニックと呼ばれる製品の中にもピンからきりまであり、選択を誤らないことが重要になります。できれば天然成分100%のオーガニック製品が推奨されます。肌がターンオーバーによって入れかわり、厚みが戻るには4~5巡くらいのターンオーバーが必要になります。保湿が足りないからと、元の保湿化粧品に戻ってしまうと、いつまでたっても乾燥から抜け出すことができなくなってしまいます。腰をすえてじっくり取り組むことです。半年から1年くらい我慢するつもりで、自ら育つ肌に変わっていくのをじっくり待ちたいものです。

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