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アトピーや肌荒れにもやさしい黄からすうり

 

人工栽培で復活した日本古来のハーブ


敏感肌やアトピーに悩むと、スキンケアやメイクに自信を失い、鏡に向かうたびに気が重くなってしまいます。あれこれ試しても化粧品をつけると沁みたりかゆくなったり、一向によくなる気配がみられないからです。まして湿疹や腫れがある肌に何かをつけるのが怖いと思うのは仕方のないこと。そんな肌に、やさしく寄りそってケアしてくれる日本古来のハーブがあることをご存知でしょうか。ひと昔前まで赤ちゃんの「天花粉」という名前で親しまれた商品がありました。ところがいつの間にか市場から姿を消してしまい、現在はベビーパウダーと呼ばれています。原料がその姿を消してしまったからです。そんな貴重なハーブを人工栽培によって再生させたプロジェクトがあります。それでつくった化粧品が敏感肌やアトピーの人々によろこばれています。

 

農村女性のあかぎれを手当て


植物の名は「黄からすうり」といいます。その果実エキスや根の成分を使った化粧品があります。ぷろろ化粧品の「化粧水からすうり」と「赤ちゃんシリーズ3点セット」がそれです。西洋ハーブのわずかな刺激に反応するデリケートな肌に、黄からすうりは刺激なく使えます。黄からすうりは、秋から冬にかけて寒い季節になると、東北の農村女性は手のあかぎれや霜焼やひびなどに悩まされてきました。すると彼女たちは、昔から伝えられてきた黄からすうりの実をとってきてすりつぶし、手当しながら作業していたのです。

山形県で30数年前から無農薬の西洋ハーブを栽培しはじめた山澤清さんは、長男がアトピーのかゆみで肌をかきむしる姿に心を痛めていました。乾燥を鎮めて肌を刺激なく潤す化粧水をつくれないかと考え、黄からすうりに着目したのです。黄からすうりは、単に汗を吸収したり摩擦を抑えたりするだけでなく、乾燥、消炎、肌修復、解熱等の作用があると聞いていたからです。かつて全国のどこにも自生していた植物だったのですが、いつの間にか姿を消してどこにも見あたらなくなっていました。そこで山澤さんは県内の仲間や全国の知人に呼びかけて、山などに残っていた種をあつめて、人工栽培をすることにしたのです。いまから25年ほど前のことです。
 
 

黄からすうり
              黄からすうりの実              

 

天花粉とベビーパウダーの違い


戦後まもなくまで「天花粉」と呼ぶ黄からすうりを使ったベビーパウダーがありました。ところがいまのベビーパウダーはシッカロールと呼ばれています。その原料はトウモロコシの澱粉のコーンスターチやタルク(滑石)というチョークの粉からできています。黄からすうりとはまったく別物です。どちらも白い粉で似ていますが、シッカロールは皮ふの擦れや汗を吸収することはできても、肌を修復する作用はありません。そこで黄からすうりを人工栽培してでも再生しようと考えたのです。

 

なぜ黄からすうりは絶滅した?


黄からすうりはなぜ絶滅してしまったのでしょうか。この植物は、夕方うす暗くなってからでも目立つように、レースのような白い模様の美しい花を咲かせます。この花の花粉を媒介するのが、夕方から活動をはじめるすずめ蛾だったのです。暗くてもすずめ蛾に目立つように咲くのです。ところがこのすずめ蛾が、農薬散布の影響で絶滅してしまったため、花粉を媒介するものがいなくなり、黄からすうりは絶滅してしまったのでした。農薬は農業労働を大きく軽減しましたが、活性酸素を発生する猛毒によって雑草や小動物の命をうばうってきました。自然の生態系を破壊する典型的な薬剤でした。この農薬が野菜や穀物に残留して体内に入るとガンやアトピーなどを引き起こす原因になります。
 
 

                 
黄からすうり
               黄からすうりの花

「黄からすうり」の再生栽培は、数万個もの花に対して、夕方暗くなるころから人の手で受粉させるという大変な作業でした。これを毎晩、数年も繰り返す必要がありました。やがて最上川流域の無農薬の畑に黄からすうりがよみがえり、年々実を結ぶようになったのです。するとすずめ蛾も少しずつ戻ってきたそうです。黄からすうりの根は、成長して原料になるまでに4年ほどかかります。掘っては植え替える作業をくり返し、少しずつ製品がつくれるようになりました。根を細かく粉砕して水に晒すと、ちょうど吉野葛のように白いサラサラした天花粉ができます。

 

大人の敏感肌にもやさしい


黄からすうりの化粧水には、完熟した黄色い果肉から抽出したエキスを使います。赤ちゃん用3点セットには、黄からすうり完熟果肉エキスをたっぷり配合しています。赤ちゃんの肌にはまだ常在菌が少なく抵抗力が弱いので、完熟果肉エキスが肌の乳酸菌を抑えて保護します。黄からすうりの赤ちゃんシリーズは、赤ちゃんだけでなく大人の敏感肌にも多用されてきました。また「こかげのパウダー」には、天花粉を主原料に、肌に負担をかけない紫外線散乱剤マリモ状酸化チタンを使用し、UV対応をしています。各種ハーブオイルを潤沢に配合しているので、つけている間も肌をケアします。成分はすべて天然成分100%で、アトピー肌や敏感肌にも安心して使えます。
 
 

赤ちゃん3点

              赤ちゃん3点セット
         
 

収量確保と大量生産に課題


しかし人工栽培なので、まだ収量確保がまだ十分ではなく、大量生産ができません。「こかげのパウダー」は原料を多量に使うため、他の商品への影響を考慮して、収穫期まで品切れすることがあります。栽培を増やして増産に努めていますが、不足してご迷惑をお掛けする場合もありますがご理解をお願いします。どの化粧品も肌が刺激されて、つけるものがなくなったときは、黄からすうり配合の化粧品をお試しいただきたいと思います。

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