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合成ポリマーが乾燥肌を加速する

 

合成ポリマーは肌を変化させる魔法

現代の化粧品には、使用感やテクスチャーをよくする成分が配合されています。保湿効果が高く、しっとり感が長持ちし、かさつきもなく、瞬時にハリが出たような満足感を感じさせます。そんな乳液やクリームは、消費者にとって便利で、ありがたい魔法のような化粧品です。落ちない口紅にも使われています。でもちょっと待ってください。便利の裏側には、ときに落とし穴が潜んでいることがあります。成分表示のラベルに、合成ポリマーを表す表記はないでしょうか。じつはこの合成ポリマーが乾燥肌や敏感肌を助長する大きな原因になっているとしたらどうでしょうか。合成ポリマーの性質や作用を知って、将来の肌を後悔しないことが大事ではないでしょうか。

合成ポリマーの正体は液体の薄いビニール

ポリマーとは分子量が巨大な物質のことで、高分子とも呼ばれます。ポリマーには、コラーゲンやヒアルロン酸やでんぷんなどの天然ポリマーと、人工的に化学合成された合成ポリマーとがあります。~ポリマー、~コポリマー、ジメチコン、ジメチコン~、シメチコン、~クロスポリマー、カルボマー、流動パラフィンなどの表記があれば、合成ポリマーか合成樹脂です。粘りと透明性があり、感触をよくする特徴があるのですが、合成界面活性剤といっしょに使われると、肌のバリア機能をこわす力が増幅されます。

ポリマーの概念図               ポリマーの概念図

合成ポリマー入りの化粧品を使うと、薄いビニールやサランラップで肌を覆ったようなつるつるした手触りになり、肌が若返ったような感じになります。親油性が高く、水分を大量に抱え込む性質があるので、肌の保湿力をあげることができます。肌のバリア機能は皮脂膜と角質層にありますが、合成界面活性剤でバリア機能をこわして水分を浸透させ、皮ふを水で膨らませて、その水分を保持するために合成ポリマーで肌に薄いビニールの膜をつくり、蒸発を防ぎます。するとまるで魔法のように、瞬時にシワが消えて、肌はつややかになり、ハリが出てきます。急に肌がきれいになったようにみえますが、素肌そのものがよくなったのではなく、ビニールの膜がシワやたるみを目立たなくしたのです。

そこまではよいのですが、皮ふにビニールが張り付けば、皮ふは正常に皮脂を分泌できなくなります。すると皮脂はもはや必要ないのだと分泌しなくなり、乾燥肌になっていきます。皮脂は常在菌のエサでもあるので、バリア機能を担う常在菌が棲めなくなり、肌は本来の機能を失っていきます。そうなるとシリコーン系の敏感肌用化粧品しか使えない肌になり、乾燥肌が進んでいることには気づきません。その行き着く先はインナードライ、乾燥肌、敏感肌、刺激に過剰反応するヒリヒリ肌になり、炎症を起こし、酒さなどのアレルギー肌になっていきます。

合成ポリマーの説明           合成ポリマーはビニールのラップ

 

合成ポリマーはなぜ多用されるのか

合成ポリマーは変質せず、腐敗もせず、原料として安価であることが、化粧品に使われる大きな理由です。配合される濃度は、化粧水、美容液、乳液、クリームの順になります。主に成分を均一に混ぜ合わせる乳化剤として使われます。配合量は0.1~2、3%程度と少量ですみ、使い心地は柔らかく、べとつかず、簡単にとろみをつけることができて、つけるとすぐにつるつるした手触りになります。口紅に使うと伸びがよくなり、ファンデーションだと崩れにくくできます。水分を大量に抱え込んで保持する性質があるで、保湿感をあげることができます。とくに水溶性の合成ポリマーは、強い粘りがあり、低い濃度でも大きな効果を出すことができます。消費者には満足を与え、メーカーにとっても好都合な成分なのです。

ケイ素系の合成ポリマーである「~メチコン」とつく、ジメチコン、トリメチコンなどは、撥水性の強い皮膜剤で、汗に流れないファンデーション、落ちない口紅などに使われます。また肌に艶をだし、しわの凹凸を目立たなくするためにも使われます。合成ポリマーの一種であるシリコーンには、シリコーンオイル、シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどがあり、揮発性の強い皮膜剤としてよく使用されます。汗に強い落ちないファンデーションや、落ちない口紅、落ちない日焼け止めなどです。合成ポリマーはUVカット化粧品の紫外線吸収剤を溶かすためにも使われます。紫外線だけを気にして使いつづけていると、乾燥肌が進んでしまいかねません。

UV化粧品やクレンジングの水溶性ポリマー

また水に溶けるポリマーを水溶性ポリマーといいます。水溶性ポリマーは、ジェルタイプのオンリーワン化粧品によく使われますが、親油性の通常の合成ポリマーとは異なる原理でつくられる合成界面活性剤であり、通常の合成界面活性剤と相乗して働きを強めます。ジェル系の基礎化粧品を使うと、合成ポリマーの水溶液を顔につけることになり、一晩寝るうちに少しの水気を残し大部分は蒸発してしまうため、極薄で強い皮膜がピタッと顔に貼りついた状態になります。すると肌のバリア機能が弱まり、破壊されるため、肌にとっては好ましくないことです。

お湯にとけてクレンジングが簡単なタイプの化粧品には、通常の36℃くらいの体温では落ちず、40℃のお湯では落ちるタイプの合成ポリマーが使われます。洗い残すと再び固まってしまうので、乾燥肌や敏感肌の原因になります。合成ポリマーはほんの少量で効果を発揮するので、配合量は少なくてすむため、成分表示は後ろのほうに目立たないように記載されます。なのでラベルの成分表示をよく確かめる必要があります。

強力なクレンジングが肌を傷める

水溶性の合成ポリマーは、肌のバリア機能を弱め、使い続けると肌本来のセラミドが減ってしまい、肌は自力で潤いを保てなくなる可能性があります。肌への密着性が高いので石けんでは落ちにくく、強力なクレンジングが必要になります。そのためさらに潤いが失われ、結果的に肌を傷める原因になります。肌を傷める最大の原因はクレンジングで肌を強く擦ることです。

合成ポリマーはすぐに肌への毒性や危険性が現れることはないとしても、長い間使うと問題が出てくる可能性が高まります。合成ポリマーがふんだんに使われている化粧品は、使わないようにすることが賢明です。

将来の美肌を保ち肌トラブルを避けるには、合成ポリマーが使われていない、なるべく植物原料100%で作られたオーガニック化粧品を使うことが望まれます。目先の便利さだけに目を奪われてしまうと、思わぬリスクに遭遇する可能性がああります。ただ注意点として、ケミカル化粧品を使っていた人が、いきなりオーガニック化粧品に切り替えると、合成ポリマー配合の化粧品で感じていた「潤い感やつるすべ感」がなくなってしまうことです。合成ポリマーが作りだしていた魔力が消えてなくなり、素肌の状態に戻ってしまうからです。それは肌の状態が悪くなったからではなく、それがいま現在の素肌の状態なのです。その素肌そのものを改善していくこと、それが正しい肌ケアの方向であり、トラブルのない若々しい肌を保ち、正しいエイジングケアへの出発点になります。
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