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合成界面活性剤が肌トラブルの悪化要因に

夕空

乾燥肌の原因になる

 
ちかごろぐんと増えている乾燥肌や敏感肌。その大きな理由に、洗浄力が強すぎる洗顔料やクレンジングがあります。またクリームに使われる乳化剤も、乾燥肌を促進させます。それは配合される合成界面活性剤に問題があるからです。合成界面活性剤の主な目的は、洗浄剤、浸透剤、乳化剤などさまざまな目的に使われます。さまざまな効果を出せて便利なのですが、バリア機能を破壊し、水分が蒸発しやすい肌にしていきます。とくに酒さやアトピー肌などの敏感肌では、症状をさらに悪化させる要因になるので注意が必要です。

合成界面活性剤は、私たちがごく日常的に使っているシャンプーや化粧品などに多く配合されています。その種類は2000以上にものぼるとされ、組み合わせ方でいろいろな効果が出せて、消費者に受け入れられやすい商品がつくれるので、メーカーにとっては都合のよい成分です。そもそも界面活性剤とは、本来は混じりあわない性質の水と油を、いとも簡単に混ぜ合わせてしまう力があります。
 

バリア機能を破壊する理由

肌のバリア機能は、皮脂膜と角質細胞間脂質、天然保湿成分(MNF)から構成されています。肌の水分を維持するとともに、外界からアレルギー物質などが侵入しないように防いでいます。とくに角質細胞間脂質は、水と油が何層も交互に重なり合って、水の浸入は油が防ぎ、油の侵入は水が防ぐ構造になっていて、水も油も通さない仕組みになっています。

ところが合成界面活性剤を使うと、まず肌表面の皮脂がとかされ、肌を守っている常在菌もろともそぎ落としてしまいます。洗浄力が強すぎるため、肌の表面でバリア機能を守ろうと踏んばっている皮脂膜を洗い流してしまいます。さらに水と油の層が幾重にも重なりあっている角質細胞間脂質を溶かして、水も油も通してしまうようになります。そうすることでケミカル化粧品は、配合した有効成分を、肌の中に浸透させているのです。
 
 

バリア機能
            健康なバリア機能がはたらいている肌

 
 

炎症を抑え込むだけのステロイド剤

バリア機能が失われると、当然ながら肌の水分は蒸発しやすくなります。また外からアレルギー物質が自由に出入りするので、肌の内側では、アレルギー物質を異物とみなして防御するためにヒスタミンが分泌されて戦いをはじめ、炎症や痒みを引き起こします。これがアレルギー症状の原因です。そこで皮膚科にいくと、炎症や痒みを抑えるためのステロイド剤や抗ヒスタミン剤が処方され、症状はいったん抑え込まれます。しかし原因が除去されて治ったわけではなく一時的に抑え込んでいるだけなので、くすりをやめると症状はぶり返します。根治するには免疫力と自然治癒力をたかめる必要があります。
 

体内では分解できず蓄積する

通常の食べ物は胃や腸で分解されて栄養素になり、血液で運ばれて、体の各器官の細胞を再生させたりエネルギーに変換されます。ところが合成界面活性剤は体内で分解できないため、臓器に蓄積していき、活性酸素を発生して細胞を老化させ、病気の原因になります。また一部は肌にとどまり、細胞膜を徐々に溶かしてうすくし、水分の保持能力が低下して乾燥しやすい肌になります。

さらに問題なのは、合成界面活性剤は体内で分解せず、水で洗ってもきれいに落ちないことです。じわじわとバリア機能をこわし続けます。しかも女性の場合は、子宮や羊水、乳房などにたまりやすいといわれ、乳がんや子宮がんの原因になることが懸念されています。妊娠中の赤ちゃんは羊水の中で成長するので、生後はアレルギー体質のこどもになりやすいといわれています。男性では脂肪分の多い肝臓にたまって、肝硬変の原因になることが懸念されています。
 
 
 

赤ちゃん

 
 

台所洗剤の危険性

台所用合成洗剤で油汚れの皿を洗うときれいに落ち、指でこするとキュッキュッと鳴って、きれいになったように感じます、ところが、皿の表面には油となじんだ合成界面活性剤が落ちないで張りついています。その皿に食べ物を盛りつけると、合成界面活性剤が食べ物と一緒に体の中に入ってしまいます。目に見えないだけでこわいことです。これを避けるには、台所用合成洗剤をやめて、台所用の石けん洗剤に切り替えることです。

合成界面活性剤の配合を見分けるには、成分の中に「アルキル」「ラウロイル」「ポリオキシ」「ラウリル」「ポリエチレン」などの文字がないか確かめます。カタカナやローマ字や数字が入り混じった長い名前で、具体的なイメージが浮かばないものは、合成成分である可能性が高いといえます。
 

安全な天然成分の界面活性剤

これに対して、同じ界面活性剤でも、天然成分の界面活性剤を使ったものなら安全です。天然の界面活性剤には、大豆レシチン、石けん、ラノリン、イチゴマメエキス、ヤシ油脂肪酸カリウムなどがあります。これらの天然成分の界面活性剤を使用したものであれば、作用が緩やかで、分解しやすく、体内に蓄積したりバリア機能を破壊することはありません。河川に流出してもすぐに分解するので、環境を汚染することもありません。天然成分の界面活性剤は、オーガニック化粧品などに使用され、敏感肌を悪化させることもないので、敏感肌でも安全に使用することができます。
 

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