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化粧品の即効性にはリスクがある

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即効性は危険のシグナルでもある

 
時代のスピードが早くなったせいか、消費者が化粧品に即効性を求める傾向も強くなっています。肌トラブルに、ある化粧品が「効いた!」と感じたら、それが自分にあったよい化粧品だと思うのは無理からぬことかもしれません。即効的な効能を求めて、化学成分の化粧品を好んで選ぶ人もいます。でも化粧品の即効性は、本当は危険のシグナルでもあるのです。なぜなら、それはあくまでいっときの対処療法といってよく、長い目でみると素肌のはたらきを損ねているからです。
 

素肌が変わったわけではない

肌がうまれかわるサイクルをターンオーバーとよびます。肌はおよそ1ヶ月のサイクルでゆっくりと生まれ変わっています。表皮の基底層で生まれた皮ふ細胞は、分裂をくり返しながら成長し、ほぼ1ヶ月で肌の表面に押しあげられ、細胞核をうしなって角質に変わり、最後はアカになってはがれ落ちて生涯を終えます。肌の表面にはバリア機能という門番がいて、外から異物や細菌が侵入しないようにがっちりガードしています。これが肌本来の自然なすがたです。

化粧品を2,3日肌につけただけで成分が浸透して効果があらわれるのは、肌の生理作用からみて自然ではありません。バリア機能を壊して成分を浸透させているからです。素肌が変わったのではなく、見せかけの変化を錯覚しているだけです。使用をやめれば元の素肌があらわれるでしょう。それまで使っていた化粧品がアレルギー成分を含んでいれば、使用をやめたらアレルギーが収まるといったことはあるかもしれませんが。
 

肌が勘違いすると機能しなくなる

天然成分100%の化粧品は、一過性の変化ではなく、肌そのものが美しくなろうとする再生力を促し、自立した肌をつくるものです。天然成分は肌にやさしく刺激が少ないぶん、緩慢すぎてパワーが足りないと感じる人もあるかもしれません。しかし、肌が本来もっている保湿機能やバリア機能をじっくり高めてさえいけば、肌を根本から強く美しく整えることができます。やめてもすぐ元の肌に戻ることはありません。指を傷つけて血がにじんでも、皮ふはじっくり治って再生するように、肌は自分でよくなろうとする力をもっています。肌のそうしたもともとの機能が高めることで、肌は必然的に健康になり、より美しい肌へとかわっていきます。

ところが化学成分で肌を変えようとすると、肌の機能はもう自分は必要ないのだと勘違いして、本来の働きをさぼるようになります。保湿化粧品ばかりつけて、水分の蒸発を防ぐために合成ポリマーで皮ふを覆うと、肌は艶やかにきれいにみえますが、皮脂はしだいに分泌しなくなり、乾燥がますます進んでしまいます。
 
 
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長期使用の安全性に保証がない!

化粧品メーカーは、実験室の中で刻々と新しい成分を生み出しています。そのほとんどは石油を原料に、自然界にない高温高圧のもとで化学反応させてつくられます。そしてわずかな期間の動物実験などを経て発売されます。女性は大事な顔に新成分をぬり、ある意味で人体実験をしているようなものです。10年、20年と長い期間を使用したとき、どんな影響があらわれるか、誰にもわかっていないのです。かつてケミカル化粧品で顔が黒くなるリール黒皮病という症状があらわれました。数年前には美白化粧品がまだら模様に白抜けする白斑事件をおき、世間をさわがせました。少なからずリスクがあっても、メーカーはまるで夢のような効能だけを誇張して宣伝します。決してリスクに触れることはありません。メリットだけのユートピアをアピールします。みんなその宣伝を信じて使います。でもやがて満足できなくなり、不満が生じて、また新しい化粧品さがしをはじめるのです。
 

メーク用品にも天然100%の製品が

本当に安全で肌のはたらきを助けて、肌自体をよくしてくれるのは、天然成分100%でつくられたオーガニックな化粧品です。天然成分なら何でもよいということではありません。長い伝統と歴史のなかで安全性と美容効果が確かめられ、営々と伝えられてきたハーブやオイルなどで作られていることが重要です。スキンケアだけでなく、いまや日本ではメーク用品やファンテーションも天然成分100%でつくれる技術が確立し、製品も発売されています。肌はいちどダメージを与えてしまうと、元に戻すのは簡単ではありません。二度と元に戻らないことだってあるのです。肌の基本的なはたらきをよく理解し、その機能を助けるようにはたらくのが化粧品の本来の役目です。このことをよく考えて、正しい化粧品えらびをしたいものです。
 

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