完全オーガニック派向

オーガニックコスメの香料と精油(エッセンシャルオイル)

セージ
 

化粧品と香料

 
化粧品の香り成分は、成分表示の最後の方に「香料」とだけ記載されます。単体でもブレンドでも、「香料」と記載すればよいことになっているからです。一般の化粧品ではもっぱら合成香料が用いられています。合成香料は揮発性の化学物質で、香りが強く、神経系統やホルモンの内分泌系、精神不安定などの影響が懸念されます。アレルギー性や発がん性が報告されているものもあり、単なる香りと軽視はできません。デパートの香水売り場をとおると頭が痛くなったり、吐き気がする人もいます。

これに対してオーガニックコスメでは、昔からの天然の香料が使われます。天然の香料は、合成香料に比べて香りが穏やかで、時間の経過とともに薄れていきます。バラ、カモミール、ローズマリー、ラベンダーなど、芳香植物から抽出される精油(エッセンシャルオイル)があります。精油は単に香りだけでなくその薬効が美容成分として活用されます。ヘキサンなどの溶剤を使わず、有機植物や野生植物から、昔ながらの水蒸気蒸留法や圧搾法で抽出されます。オレンジ、レモンなどの安価なものから、最高級のイリス、ローズ、ジャスミンまであります。カテゴリーで分けると、フローラル、シトラス、ハーバル、ウッディ、レジナス、スパイスなどになります。天然でも動物性のものは、野生動物保護を定めたワシントン条約により、現在ではほとんど流通していません。
 

合成香料の登場

芳香は先史時代から、医薬品や美容目的に、燃やして煙を吸ったり、体に当てて病気を治したり、心身を清めたり、マッサージや香油、薬として用いられてきました。香水として用いられたのは、フランス革命100周年を記念して「ジッキー」が発売され、1921年にはフランスで合成香料に着目して「シャネルNo.5」が発売されました。ジャスミン、イランイラン、ローズマリー、バラの精油に合成のアルデヒド類をブレンドしたもので、モダンなファッションと新たな時代にマッチしたものでした。
現在では、化粧品に使われる合成香料は5000種類にものぼり、調香師たちによってさまざまな調香が行われています。アルデヒドは染色体異常を引き起こすとの指摘もありますが、高級ブランドに多く使用されています。「アブソリュート」とあるのは有機溶剤を使ったもので、化学成分の残留が懸念されます。
 

精油の効果とアロマテラピー

天然の精油は、現代ではアロマテラピーに使用されます。
精油の治療効果に着目して、20世紀半ばにヴァルネ博士らによる研究がすすみ、植物療法とアロマテラピーの治療法の基礎がつくられました。博士は昔から知られている植物のさまざまな治療効果の科学的根拠を明らかにし、すべての精油を分類して体系づけました。30年以上にわたり植物療法とアロマテラピーで治療にあたり、医学的な有効性を確かめ、総合的な植物の薬用効果を広めたので「自然の医師」と呼ばれました。
その後、植物オイルと少量の精油(エッセンシャルオイル)をブレンドし、マッサージをするトリートメントが考案され、オーストリアやイギリスで代替医療のアロマテラピーが普及し、こんにちの美容的なアロマテラピーにつながっています。
 

アロマオイル2
 

精油の用途と希釈オイル

精油は植物の芳香成分が凝縮された作用が強いものなので、肌につけるときは基本的に植物オイルで希釈します。目などの粘膜には希釈したものでも使用することはできません。精油ではないクラリセージ水やカミツレ水のような芳香蒸留水(エキス)なら目の疲れにも役立つものがあります。希釈しないで皮ふの部分に直接つけられるものでは、イランイラン、カモミール、ゼラニウム、ティーツリー、ラベンダー、ローズウッドなどがあります。カモミールは高価ですが、1%に希釈しても十分に効果があるので希釈しての使用がおすすめです。
 

精油を希釈するベースオイルとは、香りが弱い植物油のことです。ホホバ油、マカダミアナッツ油、スィートアーモンド油、セサミ油など、伸びの良い皮ふにやさしいものを選ぶようにします。さまざまな特色があるので、目的によって使い分けるとよいでしょう。例えばアボガド油は、乾燥肌などに、皮ふを柔らかく保ちます。スィートアーモンド油は酸化しやすいですが、敏感肌、乾燥肌、ベビー用などに、穏やかでなじみが良いのが特徴です。

 
精油の使い道は、アロマバス、マッサージ、吸入、室内の空気清浄のほか、オーガニックコスメの香りづけと皮ふに与える美容成分などがあります。植物オイルをベースに、ローズ、ローズゼラニウム、ベチバー、ティーツリー、ラベンダー、ラバンジン、柑橘類の精油を数滴ずつ加えると効果の高い美容用のオイルができます。ただ精油は影響が大きいので、適量を守ることが大切となります。クマリンやフロクマリンを含む精油は光毒性があり、太陽の紫外線や強い光にあたると日焼けを促進したり、発疹、水ぶくれ、しみを誘発させるので注意が必要です。