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オーガニック植物に含まれる美容成分

ハーブ
 

植物エキスと成分の関係

オーガニックコスメの主成分には植物エキスが使われます。全成分表示が義務づけられている現在、コスメの容器やパッケージには、そこに配合されている全成分が、配合量の多い順に記載されています。ケミカル成分では、基本的に一つの成分には一つの効能があるだけなので、たくさんの成分名が列記されます。これに対して植物エキスは、そこに含まれる成分名ではなく、エキスの名前が記載されます。なぜなら、植物エキスには無数の成分が含まれていて、現代の科学をもってしてもすべての成分を解明しきれていないからです。植物エキスはそれほど多くの美容成分を含んでいます。その安全性と美容効果は、人類の長い歴史と経験をつうじて確認され、伝承されてきています。

植物に含まれる成分を大きく分けると、無機化合物と有機化合物になります。植物を燃やすと二酸化炭素と水になり、あとに灰が残ります。それがナトリウム塩、カリウム塩、ケイ酸塩、リン酸塩などの無機化合物です。また煙になって空気中に放出される有機化合物は、炭素、水素、酸素、窒素などであり、植物の代謝作用によって作り出されたものです。

植物の一次代謝物と二次代謝物

その代謝物には一次代謝物と二次代謝物があります。一次代謝物は、核酸、アミノ酸、単糖類、脂肪酸などで、植物の生命活動を維持するうえで欠かせないDNA、RNA、たんぱく質、炭水化物、脂質、セルロースなどを作ります。これはすべての植物に共通するものです。

これに対して二次代謝物は、生命維持活動に必ず必要というものではなく、植物によってそれぞれ異なる性質をもちます。植物療法や美容に活用されるのはこの部分です。スキンケアでいえば、一次代謝物は脂質などが肌を直接保湿するのに対し、二次代謝物は植物プラセンタや抗酸化成分などで、消炎、抗菌、活性、肌再生、くすみやしわの改善、予防などに作用します。その主なものに、アルカロイド、サポニン、タンニン、ステロイド、グリコシド類、フラボノイド、色素、芳香性分、味覚成分などがあります。ひとつの植物エキスには、このように数多くの有機化合物が含まれています。

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何千何百もの成分を含有する植物

この数ある植物の成分からある1つの成分を取り出すことを単離といいます。単離された成分には一種の薬のような働きがあり、副作用もあります。オーガニックコスメでは、こうした副作用をなくすために、単離した成分は使わず、植物本来の成分をそのまま利用しています。天然のままの成分バランスを失わないことが大事だからです。

ローズエキスでいえば、ローズという成分ではなく、何百何千もの成分が入り混じったローズエキスなのです。その中の芳香性分だけとっても、シトロネロール、ネロール、ゲラニオール、フェニチルアルコールなどがあげられます。そのほかに糖類、フラボノイド、サポニン、色素など何百種類もの成分が含まれており、それらが集まってローズエキスを形作っているのです。ですからパッケージの記載に「○○エキス」と1個だけあっても、そこには無数の成分が含まれていることを認識しておく必要があります。

植物成分は天然のまま利用することが大事

ケミカルコスメには、数多くのカタカナやローマ字の成分が記載されていて、とても複雑で効果が大きいように思えますが、じつはすべて単一成分なので、植物エキスとは比べようもないものです。保存料や安定剤のような美容と直接関係のない成分も列記されており、副作用も伴います。短い期間のテストで製品化されるため、長い年月を使用した場合、なにか有害な作用があらわれないかもわかっていません。このため使用が認められた成分であっても、ある日突然、有害性や発がん性、環境ホルモンの可能性などが指摘されて使用が禁止されたり、あるいは制限されるといったことも起こりうるのです。いわば人体実験が行われているようなものといえます。

これに対して昔から使われてきた植物成分は、幾世期にわたる長い年月の使用によって、安全性や使い方がすでに定まっています。まして農薬を使用したり、化学肥料で栽培された植物は、天然のものと異なる成分バランスの偏りがあったり、本来の効能を発揮できないといったことも懸念されます。オーガニックコスメが無農薬栽培、化学肥料不使用、化学成分無添加、遺伝子組み換え植物でないなど、原料や生産工程にもこだわるのは、こうした植物の特性を最大限に生かすためであり、徹底して安全性を確保する必要からです。植物がもつ複雑な成分は、人間のからだの機能を整えたり、健康や美容に役立つことが古くから知られており、エジプトやヨーロッパ、インドや中国、日本でも大切に利用されてきました。真正なオーガニック化粧品は、こうした歴史のうえに立って現在も作られています。

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