オーガニック基礎知識

オーガニックがなぜ肌によいといえるのか

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化粧品の原料が植物から石油に変わった

人は寒ければ家の中に逃げ込めますが、植物は与えられた環境から逃げることができません。どんなに厳しい気候環境でも、それに耐え抜いて生きつづけなければなりません。それに耐えるのに必要な抗酸化成分などを体内にため込みます。人間はこの植物の性質を知り、昔から健康や美容に役立つものを探り当て、利用してきました。世界中どこにもそうした美容植物があり、先人たちから子々孫々に受け継がれてきました。

ところがつい70年ほど前から、石油化学が急速に発達し、さまざまな美容成分が石油から作れるようになったのです。現在ではそうした化粧品が洪水のように溢れかえっています。しかしそれ以来、化粧品による肌トラブルは増加の一途をたどってきました。今日では、乾燥肌、敏感肌、吹き出物など肌の悩みを訴える女性が87%にものぼっています。この悩みを何とか解決したいと模索する人たちが、自然派や無添加、オーガニック化粧品に関心を示し、年々5~6%の伸びになっています。

自然界にない化学物質は人体に有害

では植物を主原料にした化粧品でさえあれば問題は解消できるのでしょうか。植物にそうした効果があるとしたら、それは植物の何がどのように肌に作用をするのでしょうか。ここではその本質について考えてみたいと思います。

石油は土の中から掘り出される無機化合物であり、生きた細胞をもっていません。この石油から燃料を取り出したときにできる副産物のナフサを高温と高圧で処理すると、自然界にないたくさんの無機化合物が化学的に合成されます。これが化粧品に使われるようになったのです。一方の植物は、人間と同じに生物であり、細胞があります。たくさんの有機化合物を有しています。そこがまず決定的な違いといえます。自然界にないものは、食品の合成添加物もそうですが、人体に入ると有害な働きをします。

ローズマリー油
 

単一成分の働きと多様な成分の働き

化学合成された成分は、基本的に一つの成分が一つの作用を果たします。洗浄成分なら洗浄作用をするだけです。合成された成分は人体にとって副作用が働きます。一方の植物には、一つの植物にたくさんの成分が存在し、相互のバランスで安定していて、肌にたいして複合的に働きかけます。例えば、保湿し、肌にハリを与え、防腐し、香りをもたらすなどです。バラ一つを例にとっても、シトネロール、ゲラニオール、フェニチルアルコール、ネロール、ダマスコン、色素成分、フラポノイドなど多様な成分が含まれています。それは極めて複雑で、現代の科学をもってしてもすべてを解明しきれていません。それらが複合的に肌の機能を整えるように働きかけ、健やかな肌へと導くのです。また何世紀も安全に使われつづけてきたことによって、臨床的に安全性が確認されています。


オーガニックが原料の栽培法にこだわる理由

一般にダメージを受けた肌は酸化が進んで、シミ、くすみ、乾燥とたくさんの問題が重なって表れます。植物エキスは、そんな肌に対して総合的に働きかけ、全体的にバランスよく肌の状態を改善していきます。このとき一方でケミカル化粧品を使って肌のバリア機能を壊しながら、オーガニック化粧品をつまみ食いしても効果は得にくいのです。一貫した対応が必要なのです。

オーガニックが栽培法や肥料、農薬の有無などにこだわるのは理由があります。よく有機農法で育てたお米や野菜は味が違っておいしいといわれます。化学肥料で育てたお米や野菜は、形は整っていても味に深みや旨みがありません。それは限られた化学成分を栄養にして育つため、多様な微生物が住んでいる土のようには栄養がないからです。また農薬は一定の植物や害虫を駆除する猛毒ですから、土の中の微生物は死滅し、栄養的な多様さがなくなります。

化粧品の原料の栽培についても、まったく同じことがいえます。植物が残留農薬や化学肥料の影響をうければ、天然のものに比べて栄養や成分に偏りを生じ、あるいはアレルギーの原因になるのです。本当に肌のためになる多様な成分を含む植物の原料を得るには、堆肥を使ったオーガニック栽培であることが不可欠なのです。真正なオーガニック化粧品では、こうした理由から健やかな肌を回復し育くむのに、決定的に優位であるといえるでしょう。