オーガニック基礎知識

ケミカル化粧品をおススメできない理由

化粧品の棚 (2)
 

合成成分は石油からできている

化粧品の本来の目的は、肌がもっている美しくなろうとする働きを助けて、さらにそれを活性化することです。そのため化粧品は太古の昔から、自然治癒力があって肌のくすみやシワを予防する、抗酸化力をもった植物が使われてきました。ところが現代のケミカル化粧品のほとんどは、石油を原料にしてつくられ、見た目をよくするだけで肌自体をよくする抗酸化力がありません。それどころか、農薬や食品添加物と同様に、化粧品に使われる合成界面活性剤などの成分が体内に入ると有害な作用をすることがわかっています。

石油からつくられる化粧品の合成成分はいまや8千種類にものぼっています。これらの合成成分は、皮脂膜を過度に取り去り、大切な肌のバリア機能を破壊して、肌の機能そのものを狂わせてしまいます。その結果、正常な潤い機能が失われ、慢性的な乾燥肌になっていきます。肌のバリア機能が働かなくなった肌は、門番のいなくなったお城と同じで、細菌や有害なアレルギー物質が肌に自由に侵入するため、アレルギー性の敏感肌になってしまうのです。
 

長期使用すると乾燥肌や敏感肌に

乾燥肌や敏感肌は、短期間では起きないので気づかないうちに進行していきます。3年、5年と長く使いつづけるうちに進行するので、はじめは化粧品のせいだと気づかないのです。学校を卒業して社会に出てお化粧をするようになって、25歳から30歳前後になったころに現れることが多いのです。「お肌の曲がり角」なのではなく、合成成分の蓄積によるものです。出産がきっかけになることもあります。そこで症状の改善によさそうと思える広告の文言につられて別の化粧品を使ってみると、一時的には改善したように感じます。でも根本的な改善にはならず、再びシミやくすみ、シワ、吹き出物などに悩まされるようになります。

そこで昔からの自然な植物や天然のものを原料に使ったオーガニック化粧品が見直されているのです。本物のオーガニック化粧品には、傷んだ肌を修復し、バリア機能をじっくりと回復させる自然治癒力があります。しかしあまりに傷んでしまった肌では回復が容易ではありません。なるべく早いうちに正しいケアをすることが望まれます。
 

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圧倒的に安いケミカル原料のコスト

化粧品の基本成分は水と油です。これに加わるのが、洗浄と乳化のための界面活性剤、長持ちさせるための防腐剤、クリームや乳液のベースになる油剤、美しい色を出すための色素、香りを整える香料などになります。これらの働きをどんな成分でまかなうかによって、ケミカルコ化粧品とオーガニック化粧品の大きな違いが生じます。

ケミカル化粧品では原料に石油の合成成分を使い、オーガニック化粧品では植物や天然素材を使います。合成成分は工場での大量生産が可能なので、コストは10分の1くらいでの製造が可能ですが、植物や天然素材は栽培や加工にたいへんな手間と時間がかかるため、どうしてもコスト高になるのは仕方のないところです。これが化粧品市場において、ケミカル化粧品が95%と圧倒的なシェアを占めている理由です。
 

植物オイルは肌を守る

しかし、化粧品にケミカル成分が使われるようになってこのかた70年ほどの間に、肌トラブルが急増しました。合成界面活性剤や合成ポリマーで肌の機能が壊されるからです。防腐剤のパラペンやフェノキシエタノールは微量でもホルモンバランスを崩す環境ホルモンの疑いがもたれています。鉱物油や合成油剤は皮ふ呼吸を止め、肌のくすみや乾燥肌などのトラブルの原因になります。合成香料は神経系に作用し、アトピーの原因にもなるといわれています。

これに対してオーガニックな植物オイルは、肌に油分を与え、UV効果を発揮するなど肌を守る効果があります。また香りを整える精油には、炎症や吹き出物を改善したり、肌を若々しくし、シワを薄くするなどの美容効果があります。合成成分はもともと自然界にないもので、体内に分解する酵素がないため、基本的にスキンケアには適さないのです。肌に対して強い刺激を与え、肌荒れや乾燥肌の原因になります。しかも環境中に流れ出せば分解しにくく、生態系を乱し、環境を汚染します。このような理由から、ケミカル化粧品は基本的にお勧めできないのです。
 

合成成分と天然成分の見分け方

化粧品の良し悪しは使われている成分で決まりますが、あまりに成分の数が多いことや、長いカタカナの名称から専門家でなければ判断が難しくなっています。そこで以下に、合成成分と安全な天然成分を見分ける目安となる方法について記しておきます。

まず合成成分の合成界面活性剤には、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン、ポリソルベート20、非イオン界面活性剤など。防腐剤にはパラペン、フェノキシエタノールなど。油剤にはミネラルオイル、流動パラフィンなど。色素には○色○号など数字があるもの。香料にはゲラニオール、アニスアルデヒド、ジフェニルオキサイドなどが用いられています。とくに名称に「ポリ」「プロ」「イソ」「ベン」「クロ」「フェノ」のつくもの、数字やアルファベットのつくものは合成成分なので注意が必要です。

一方、天然成分の界面活性剤には、石けん素地、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、レシチン、ラノリン、ムクロジなど。防腐剤にはローズマリーエキス、熊笹エキス、ヒノキチオール、エタノールなど。油剤にはオリーブ油、ホホバ油、ひまわり油、シアバターなど。色素には酸化チタン、紅花、クチナシ、シコン、ルチンなど。香料にはエッセンシャルオイル、ラベンダー油、ヒマワリ油、オリーブ油、ごま油、ローズ油、ゼラニウム油、カモマイル油などが使われています。ただし植物成分と石油成分を合体した合成界面活性剤もあるので注意が必要ですが、名前にケミカル系のカタカナがあるのでおよその類推ができます。。
一般に合成成分は名称からイメージが浮かびにくいのに対し、植物や天然成分は何となく頭にイメージが描ける名称が多いことを覚えておきましょう。